脳神経外科 neurosurgery
脳神経外科
脳神経外科とは、主に脳・脊髄・神経の疾患(脳卒中・脳腫瘍・脳動脈瘤・機能的疾患・認知症など)を診断・治療を行います。
頭痛・めまい・吐き気・しびれ・ふらつき・物忘れなどの症状は、脳腫瘍や脳血管障害などの脳の病気が原因である場合があります。脳・脊髄・神経の治療には緊急を要することが多いため、症状が現れたら、早めに受診することをお勧めいたします。
当院では、1.5テスラMRIやCTといった医療機器を使い、病気の早期発見、早期診断に取り組んでいます。
片頭痛
脳の血管が、急に拡張することによって、「ズキンズキン」と脈打つような痛みが起こると考えられています。吐き気を伴うことも少なくありません。痛みは数時間~3日間ほど続きます。原因には、疲労やストレスのほか、20~40代の女性に多くみられることから、女性ホルモンも関係すると言われています。症状が起こったら、暗くて静かな場所で安静にします。治療としては、トリプタン製剤などの内服が効果的です。
緊張型頭痛
頭に金属の輪を嵌められたような、締め付けられる痛みが長時間続きます。肩や首の筋肉が凝って、その付近の血管が過度に収縮し、神経が刺激されることで痛みが生じます。
痛みは、後頭部から首筋を中心に、頭全体に広がります。精神的・身体的ストレスが誘因になりますので、ストレスの解消を心がけます。入浴、運動、マッサージなどは血管を拡張するため、このタイプの頭痛に効果的です。
群発頭痛
1~2ヶ月の間、毎日起きる頭痛で、目の後ろを通る頭の血管の拡張が痛みの原因と考えられています。目の奥をえぐられるような激しい痛みが1~2時間続きます。あまりの痛さにじっとしていられず、動き回ったり、転げ回ったりする人が少なくありません。患者数は比較的少ないのですが、働き盛りの男性に多く見られる傾向があります。誘因となるアルコールを控え、専門の医療機関を受診しましょう。
くも膜下出血
脳の血管が破裂し、くも膜下腔(くも膜と軟膜の間の空間)に出血が起きる症状で、嘔吐やけいれん、意識消失を伴うこともあります。発症時には、非常に強い痛みが突然起きると言われますが、出血の程度によっていろいろ異なってきますので、程度にかかわらず突然の頭痛を自覚したら、脳神経外科を受診しましょう。
脳出血
くも膜下出血と症状が似ていますが、脳出血の場合は必ずしも痛みを伴わないのが特徴的です。意識障害、手足のしびれ、物が二重に見える、吐き気・嘔吐などの神経症状が現れてきます。
脳腫瘍
頭の内部にできた腫瘍が大きくなることで脳の神経を圧迫し、頭痛を引き起こします。脳腫瘍による頭痛は、突然起こることは少なく、数週間から数ヶ月かけてじわじわと痛みが強くなってきます。起床時に痛みが強いのが特徴です。頭全体か頭の一部で圧迫感や鈍い痛みが続き、手足のしびれや麻痺、言語障害、吐き気・嘔吐や手足のけいれんなどが現れることもあります。
めまい
人間は自分の周囲の空間や位置を眼、内耳(半規管・耳石)および手足の関節などで感知します。その情報は脳に伝えられ、統合されて、体のバランス(平衡覚)を微妙にコントロールしています。これらいずれかの機能の具合が悪くなると、めまいや平衡障害を生じるわけです。
めまいを起こす病気には、良性発作性頭位めまい症、メニエール病、突発性難聴、慢性中耳炎など耳鼻科領域の疾患がよく知られていますが、脳循環障害や脳腫瘍など、脳神経外科領域の疾患も見受けられます。
物忘れ
年をとると、誰しも「物忘れ」が増えてきます。
今まで普通にやれていたことが急にできなくなった、通い慣れているはずの道がわからなくなった、大切な約束を忘れてしまった、同じことを何度も聞いたりするようになった――こうしたいわゆる「物忘れ」には、単なる加齢による場合(良性健忘)と、軽度認知障害(MCI)、および認知症の初期段階の場合とがあります。
そして、いずれかを見極める診断が非常に大切になってきますので、「物忘れ」が増えて気になったなら、一度専門医を受診なさるよう、お勧めいたします。
軽度認知障害
軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)とは、認知機能(記憶、決定、理由づけ、実行など)のうち1つの機能に問題が生じてはいるものの、日常生活には支障が無い状態のことで、健常者と認知症の人の中間段階(グレーゾーン)に位置します。
MCIを放置しておくと、認知機能が低下していき、5年間で約50%の人が認知症へと進行すると言われます。
しかし、軽度認知障害の段階で適切な治療を行えば、本格的な認知症の発症を防いだり遅らせたりできる場合があるので、MCIと診断されたら、早めに治療を受けましょう。
認知症
認知症とは、老化に伴う病気の一つで、様々な原因で脳細胞が死んだり、働きが悪くなったりすることによって、記憶・判断力の障害などが起こり、社会生活や対人関係に支障が出てくる状態(およそ6ヶ月以上継続)を言います。
わが国では、高齢化の進展とともに、認知症の患者数も急増しています。65歳以上の高齢者では、7人に1人くらいが何らかの認知症を患うと見られています。
症状が軽いうちに認知症であることに気づき、適切な治療を行えば、認知症の進行を遅らせたり、ケースによっては症状を改善したりすることも可能です。
認知症の症状
- 何度も同じことを言ったり、聞いたりする
- 物をしまった場所や置いた場所が思い出せない
- 水道の出しっ放しが多くなる
- 食事をしたことなど、直前のことが思い出せない
- 現在の日付や曜日がわからない
- 自分のいる場所がどこなのかわからない
- 知人の顔がわからない
- 季節の感覚が無くなる
- 人間違いが多くなる
脳卒中
脳には、大小様々な、たくさんの血管が縦横に走っており、その活動に必要な酸素や栄養を細胞に供給しています。これらの血管が詰まったり、破れて出血したりして起こる病気を脳卒中と言います。
詰まった場合が脳梗塞(脳塞栓・脳血栓)で、出血した場合が脳出血(くも膜下出血・脳出血)です。これらの脳卒中では、意識障害や麻痺、言語障害などの症状が出現してきます。専門医療機関での救急処置が必要です。