頭痛外来 headache
片頭痛治療の注射薬(エムガルティ)
当院では片頭痛治療に新しい注射薬、エムガルティを採用いたしました。
エムガルティは片頭痛発作が起こるのを抑えるために作られた、新しいタイプの注射薬です。
期待される作用
- 頭痛の回数が減少する
- 急性期治療薬(痛くなった時に使うお薬)の効き目が良くなる
- 日常生活の支障が軽減する
エムガルティの働き
片頭痛は脳内にCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という物質が増え、脳の血管に作用して起こると言われています。
エムガルティはこのCGRPの働きを抑制し、片頭痛発作が起こるのを抑えると考えられています。
エムガルティの効果
エムガルティの投与によって、
- 片頭痛日数が減る
- 急性期治療薬を使う日数が減る
という効果が期待できます。
エムガルティの投与方法
- 初回に2本注射します。
- 2か月目以降は1か月間隔で1本注射します。
初回に2本を注射することによって、お薬の血中濃度が早く安定した状態になります。
※エムガルティは「抗体医薬」という飲み薬とは違うタイプのお薬で、皮下に注射して、それが血液中に入り、効果を発揮します。
エムガルティの副作用
- よくみられる副作用は、注射部位反応(痛み、発赤、かゆみ、内出血、腫れなど)です。これらは多くの場合、注射した日に出現し、数日以内に焼失します。
- その他の副作用として、皮膚のかゆみ、じんましん、発疹などが報告されています。
- まれな副作用として、重篤な過敏症が起こることがあります。
※重篤な過敏症を疑う症状が現れた場合は、次の受診日を待たずに医師・薬剤師に連絡し、速やかに受診するようお願いします。
※重篤な過敏症反応は、本剤の投与後数日経ってから現れることもありますので、ご注意ください。
※その他、気になる症状が現れた場合には、医師・薬剤師・または看護師に連絡してください。
エムガルティの薬剤費(※3割負担)の目安
- 初回投与時(2本)
- 約27,000円
- 2か月目以降(1本)
- 約13,500円/月
※別途、診察料や検査料などが必要になります。
頭痛の種類
片頭痛
脳の血管が、急に拡張することによって、「ズキンズキン」と脈打つような痛みが起こると考えられています。吐き気を伴うことも少なくありません。痛みは数時間~3日間ほど続きます。原因には、疲労やストレスのほか、20~40代の女性に多くみられることから、女性ホルモンも関係すると言われています。症状が起こったら、暗くて静かな場所で安静にします。治療としては、トリプタン製剤などの内服が効果的です。
緊張型頭痛
頭に金属の輪を嵌められたような、締め付けられる痛みが長時間続きます。肩や首の筋肉が凝って、その付近の血管が過度に収縮し、神経が刺激されることで痛みが生じます。
痛みは、後頭部から首筋を中心に、頭全体に広がります。精神的・身体的ストレスが誘因になりますので、ストレスの解消を心がけます。入浴、運動、マッサージなどは血管を拡張するため、このタイプの頭痛に効果的です。
群発頭痛
1~2ヶ月の間、毎日起きる頭痛で、目の後ろを通る頭の血管の拡張が痛みの原因と考えられています。目の奥をえぐられるような激しい痛みが1~2時間続きます。あまりの痛さにじっとしていられず、動き回ったり、転げ回ったりする人が少なくありません。患者数は比較的少ないのですが、働き盛りの男性に多く見られる傾向があります。誘因となるアルコールを控え、専門の医療機関を受診しましょう。